未知との遭遇、マダム編

会社に「麻布夫人」と呼ばれる人がいる。
週三日だけ派遣できている奥様、文字通り最寄り駅が麻布十番
だんな様は会社と歩合制で契約しているトレーダーだそうです。


そう、彼女は別に自分が働かなくても生活してゆける。
働いている理由のほとんどは暇つぶし。
危機感がまるでない。
だから簡単な仕事も全然覚えない。
同じミスを繰り返す。
それでものんびり仕事をしている。


「この前ー、母と日本橋三越で待ち合わせをしたんですけどぉー。
そこでぇー、テレビで放送していたイートインのお店に行ってきたんですよぉ。
すっごい行列でぇー、お昼時なのに皆ずーっと並んで待っているんですよぉ。
みんなマダムがお昼を食べにきているって感じでぇー、びっくりしちゃいましたぁ。」


貴女も立派な有閑マダムなんですけどね、日々働いているアタシたちにとっては。
だってその時間帯にその場にいれること自体、貴女もその一味なんですのよ。
自覚してないのが、なんともはや(−人−)。
・・・一緒に働くのは結構酷ですよ。


マダムそんな胸元を強調した服を着られても、それを見てミスを許しちゃおうとは思いません。
30女には30女の色気は残念ながらあまり効果がありません。
「あのぉー、これなんですけどぉー。」
首を少しかしげながら、小指を立てて質問する仕草も、通用しません。


頼むから仕事してくれぇーヽ(`Д´)ノ。